柳島水再生センタ〜茅ヶ崎の水の処理〜
柳島水再生センター
〒253-0064
茅ヶ崎市柳島1,900番地
私たちの生活になくてはならない下水処理システム。
大切なことだと知ってはいるけど、具体的にどうやって処理をしているのか?
実はよく知らない下水処理について、柳島水再生センターにお邪魔してお話を聞いてきました!
柳島水再生センター
柳島水再生センターでは、茅ヶ崎市はもちろん平塚市、藤沢市、海老名市、綾瀬市、座間市、相模原市、寒川町の下水を処理しています。その量はなんと1日で最大531,700㎥!実は、日本で10番目の処理能力を誇る施設なんだそう。
では、実際にどのように下水処理が行われているのか!
下水はまず各家庭の下水道管を通り、各市町の流域関連公共下水道管をへて流域下水道幹線に集められ、柳島水再生センターに流れ着くようになっています。
このような道を通って8市町から集まった大量の下水は、大きく分けて6つの工程を経て海に放流されます。
①まず、沈砂池という場所で下水に含まれる大きなごみや土砂を鉄の網などを使って取り除きます。
②ポンプ室にて柳島水再生センターの地下深くに流れてきた下水(遠く離れた市や町からスムーズに流れてくるために高低差が必要なので、柳島水再生センターではまず地下深い場所に集まります)を水処理施設のある高さまでポンプで汲み上げます。
③最初沈殿池で汲み上げた下水をゆっくり流し、沈砂池で取り除くことのできなかった細かい汚れを沈殿させ、水面に浮かんだ油や野菜くずを取り除きます。
最初沈殿池では、1時間半〜2時間の時間をかけて処理をします。沈殿した汚泥は汚泥濃縮設備で処理され、その後焼却炉で焼却されます
④目に見える大きさのごみをある程度処理した下水を、反応タンクでさらに綺麗にしていきます。ここまで処理された下水に活性汚泥という微生物が混ざった泥を加えて、タンクの底から空気を送り込みます。そうすると、微生物は下水の汚れを食べて繁殖し、綿のようなかたまりになって沈みやすくなります。空気を送り込むことで微生物が水全体に行き渡って沈みにくくなり、空気を取り込むことで微生物の活動も活発になります。反応タンクでの処理には、8〜10時間かかります。
⑤反応タンクで処理した下水は、最終沈殿池で処理されます。最終沈殿池では水をゆっくり流しながら、微生物が汚れを食べて綿のようなかたまりになった活性汚泥を、水の底に沈めます。綿のようになった活性汚泥が沈むと水はすっかり綺麗になって、透明度が高くなります。ここまでで全体の約95%の汚れが取り除かれます。
沈んだ活性汚泥は反応タンクに戻されますが、増えすぎてしまった分は汚泥濃縮設備へ送られます。
⑥透明度が高くなった下水は最後に消毒施設で処理をされます。微生物では処理しきれない大腸菌類などを、次亜塩素酸ソーダナトリウムを使用して消毒します。
※消毒を終えた下水は、国の定める放流の水質基準よりも厳しい基準をクリアし、海へ放流されます。
番外編〜汚泥のその後〜
③最初沈殿池と⑤最終沈殿池で出た汚泥は汚泥濃縮設備へ送られると説明しましたが、その後の処理についても伺いました!
①汚泥濃縮設備にて集められた汚泥は、濃縮して水分を減らします。
②汚泥濃縮設備で濃縮された汚泥を汚泥脱水設備で薬品を加えて、さらに水分を絞り取り固形物にします。固形物になった汚泥を脱水汚泥といいます。
③有機物を含んだ脱水汚泥を汚泥焼却炉という焼却炉で燃やして灰にします。灰にすることで、量を減らすことができます。燃やした後の灰は、建築資材などに活用されているそうです。
最後に
微生物が汚れの分解を行なってくれているため、大量の洗剤や薬品を下水に流してしまうと、微生物の活動が低下して処理の妨げになってしまいます。また、油や水に溶けないティッシュペーパー、オムツなどを排水として流してしまうと、家の下水道管が詰まりやすくなってしまうだけでなく、沈砂池やポンプ室などの詰まりなどにもつながる恐れがあります。スムーズな下水処理のためにも気をつけてみてください。
とっても身近だけれど、なかなか知ることのなかった下水の処理。
実際には生物の力を借りながら私たちの生活から出た汚水を自然に流せるレベルまで浄化し、放流していくれていることを知りました。
お話を聞き、改めてこのシステムがなければ普段通りの生活は送れないと実感しました。
私たちの生活が様々な人やシステムのおかげで成り立っていること、そしてとても身近な場所にその施設があることを、実際に足を運んでお話を伺うことで知ることができました!